短時間勤務希望の主婦と人手不足の企業
派遣で働く主婦が増える理由
派遣社員が社会に認知され始めた頃は、30歳前後の女性を中心に多く見られた働き方でしたが、現在では派遣社員として働く人の平均年齢もその頃より上昇しています。その背景には、家庭と仕事を無理なく両立したい主婦が、派遣という働き方を選びはじめているということがあります。かつての派遣社員といえば、週5日のフルタイム労働が基本のように考えられていましたが、近年では、その条件での派遣社員の確保が追いつかないという現状があり、これまでの派遣の常識を覆し、主婦でも働きやすい週3日程度のパートタイム派遣労働が普及しつつあります。
週3日勤務だと働ける人が増える
働きたいと考えている主婦は多いですが、毎日フルタイムではなく週3日ほどの頻度で働きたいという希望を持っている人もいて、育児や家事、介護など、その事情も様々で、ある程度の融通がきく仕事をしたいと考えています。家庭に入った主婦の中には、会社員や派遣社員として仕事をした時に身につけたスキルや豊富な業務経験を持ったスペシャリストも多く、労働条件さえ合えばその能力を発揮して働くことができる人材が潜在的にはまだまだ大勢いるのも事実です。企業の本音としては毎日勤務してもらいたいところですが、週3日程度の勤務を可能にすることで、即戦力なる人材を効率的に現場に組み込むことができるようになり、結果としてwin-winの関係をもたらす結果になったケースも数多くあります。
これまでパートタイム派遣が普及しなかったわけ
パートタイム派遣なら働くことができる人が多いにもかかわらず、これまでなかなか浸透してこなかった背景には、フルタイムで働ける一般の派遣社員が集まりにくくなったことの他に、企業側のシフト調整に手間がかかってしまうということがありました。パートやアルバイト主体の勤務体制をとっていないような企業において、パートタイムで働くという概念そのものがまずなかったということもありましたが、1日の労働時間を6時間、週3日程度にして繁忙期などに派遣社員を増強し、閑散期には減らすなどの調整をすることによって、むしろ生産性が高まるのだということがわかってくると、パートタイム派遣社員のニーズは急増していきました。
特に、経理分野における人材不足は深刻で、派遣社員の中でも需要の多い職種です。企業としては、本来であればフルタイムの人材が欲しいところですが、それでは人材が集まらないということもあり、パートタイム派遣社員の受け入れに踏み切る企業も多くなっています。そうすることで、自分のスキルやキャリアを生かして働き続けることができる主婦も増え、企業も助かるということで、今後さらにこの流れは大きくなっていくことでしょう。